最曲

はな　　　の　　　しらべ　　　を
　　　　　　　しって　　　　　　　　います
そうしてそれは万感の秩序を持って凄烈足る真善美を。

　　　　　　　　　（――升のピール）


戦争から帰ってきたと思ったら貴種が来たとか！
最近は黒燐蟲使いに雪女に物凄い転入ラッシュだね、急激な増加は普通の先生とかにはどう言っているのか！
しかし修学旅行生入れても六千人近く！
……改めて凄いねこの学校っ！？

まあ怪我した人ももう治ったみたいだし何より！
菫ちゃんはまた無事だった、結構運強いね！
一緒に行ったのに赤金クンを援護し切れなかったのが申し訳無い！

それで新しいGTも発見、ペース速いよね……！
とりあえずドクターとナースの回復で長引くのが面倒！
後あのカウンセラーは自分がカウンセリングに行った方が、って第五ノスノィクの友人が。
そういや私は大した病気に罹った事無いから病院ってあんまり縁がない！
……普通の医者は鋸持ってないよね、流石に。

「さっきゅん可愛いですねー」

「何の前振りもなく唐突に意味不明な発言をするのは止めてくれってイイスルックの算段書にあるらしいよ！」

「菫兄の今の発言よりはよっぽどかマシな気がしますが。サキュバスですサキュバス」

「ああ、昨日来た！」

「GTのリリスになると怖かったり気持ち悪かったりが先に来るのですが、何かあれは妹みたいじゃないですか…！」

「キミが下？」

「何でですか。これでも私お姉ちゃんの予定だったのですからね」

「意味が分からない！」

「お姉ちゃんになる予定だったのですよ。もうしばらくしたら」

「いつの話！」

「お母さんが死ぬ一週間くらい前に言ってました。もうすぐお姉ちゃんだって」

「……そりゃタイミングの悪い事で」

「結局弟か妹かも分からないままでしたけれどもー。……いいなあ兄弟姉妹」

「――ゴーストに殺された家族の代わりに使役ゴースト相手に家族ごっこして遊ぶ訳？」

「…………」

「何か？」

「……いいですよね菫兄は。お家帰れば『優しい』お父さんとお母さんがいるのですから」

「…………」

「何でしょう？」


「…………」
「…………」


「……良かったねぇ学校内で！」

「本当ですよねー。GTとかだったら今絶対どっちか攻撃してましたよねー」

「泣くなら喧嘩売らないでくれる！」

「泣いてません。つうか吹っかけてきたのそっちじゃないですか。泣いてません」