ヤサク実存の証明――2

定理二　ニムはイスタの力を借りて地波を操っている。
イキア依存はニムの地波によって引き起こされる[定理一より]
地波はイスタから発される17988YFkの振動と同一である。
ニムは単体では地波を発する器官を持たない。
イスタ以外に17988YFkの振動を発するものは存在しない。
よってこの定理は証明される。

　　　　　　　　　（定理三へ続く）


えーっと、テスト発表来たね！
キャンパスごとって結構見るの面倒な気もしないではない！
ちなみに菫ちゃんこんな感じ！

・現代文――61点　　・古文――55点
・数学――50点　　・化学――35点　　・物理/生物――58点
・日本史――59点　　・世界史/地理――65点
・英語（リスニング）――52点　　・（筆記）――44点

・総合――479点　　2665 位/ 512.2 点  234 位/ 518.2 点

ちなみに選択は未入力！　……術式依存なのか単純にダイス目なのか。
ともかく、んー、高三の人数から見るに中頃より下、ってとこかな！
平均割ってるしねぇ、仕方ないか。
――っていうかこれ、補習あるの？

で、補習あったら面倒だな、とか思いながら部屋にいたんだけど。
時間は十時かその辺り。
やる事が無いなら、別に早く寝ても構わないんだよね私！
だから寝ようかと思って立ち上がったら鞄が倒れて、携帯が落ちてきてさ！

見たらまた着信中。
出てる名前は、江間良将。

……何か前もこんな事あった気がするんだけど、彼何か飛ばしてるの？
それとも私の記憶違い？
いやまあどっちでもいいんだけど！
取るかどうかちょっと迷って、何か用事だろうなと思い直して通話オン。


『もしもし菫センパイ？　こんばんはッ！』

普段通りの元気な声。

「はいはい？　こんばんはっ」

合間に車らしきものが通る音、多分外にいるんだろうね。

『菫センパイ、今日玖凪センパイと会った？』
「玖凪クン？　会ってないよ、結社来なかったから学校にも来てないんじゃない？」


そうそう、確か赤金クンが心配してた！
何か妙に入り口気にしてるから、理由聞いてみたら、

――『クナ…！…ぁー、クナギ様、です、けど、今日、来ませんね？あ、いや別に気にしてるわけじゃないんですが、そのほら、何時も来てるのになー的な、その、ええ。不思議な、気がしません？』

って。よく気付くねぇ？
玖凪クンは毎日デスパに顔出してるみたいだから、いないと目立つらしいね！


『…………』

続けようとして、江間クンが黙ってるのに気付く。
どうかした？　って言う前に、

『……あのさ、最近あの人とＧＴ行った？』

ちょっと声の質が変わった。
あー、上手く説明出来ないんだけど、キノシア五星金化の波くらい！
余計分かりにくいかなこれ！

「んー？　最近って程近かったかは覚えてないけど、行ったよ！」
『えーと、ちなみにどこ行ったか聞いていい？』

要するに、ちょっと硬い感じの声って事かな。
理由はよく分からないけど、ともかく別に断る理由は無い。

「B棟！　……そういや木乃香クンが一緒だった時もB棟だったね！」

その後ちょっと考える感じの間。
すぐにお礼が返ってきて、通話が切れる。

……名前言っても江間クンは木乃香クンの事知らないんだっけ？
まあ掛け直して説明する程の事もないだろうと思って、結局そのままにしといた！


――あ、そういや結局、何の用事だったんだろうねぇ？